まるで映画のセットを彷彿とさせるような
そこに集う人全てが幸せになれる、空間演出
磨かれた感性と情熱が、そのワンシーンを創り上げる

■失敗もいつか
自分の血となり、肉となる
27歳で起業、37歳で倒産、そして40歳で心機一転、レストラン セーシェルを立ち上げた。
「若い頃に始めた建設会社を失敗して、再建のために始めたスタートでした。建築の仕事は、クレームが多かったり資本的に厳しい面があるのに対して、飲食業はサービスメインの日銭商売でしょう、えらく対称的ですよね。元々学生の頃からいろんなアルバイトを通して、サービス業は自分に向いているという確信があったので、そんなに違和感は感じずにスタートしました。」
宇都宮の駅東にあるリゾートレストラン セーシェルを立ち上げた、寺内さん。現在では4つの会社を取り仕切る、CEO(最高経営責任者)。とにかく、テーマは「自分が行きたくなる」お店。元々の出身であった建築業をフルに活かし、設計も全て自ら行い、空間作りにはこだわった。
「普通こういったレストランのスタートって、フランチャイズから始めるのが一般的なんですけど、どうも私は昔から、人のふんどしで相撲を取ることが好きじゃなかったんです(笑)。オリジナルブランドを造りたいと思い、素人だったのにゼロからスタートしました。スタートは厨房10人、ホール20人で目標も高かったです。料理をなかなかスムーズに出すことが出来なくて、かなりお待たせしてね…烈火のごとく怒られることもあったりして、こちらも目から火の出る思いでしたよ。一番悔しかった思い出ですね。」
その頃の悔しい経験は、血となり肉となった。自分自身が成長をしていかないとダメだ、ということを痛烈に感じた時期だったという。
「経営とは、自分自身の鑑といいます。オーナーが努力していかないと、いいスタッフは絶対に集まってこないんですね。私は設計のことは多少分かっても、料理や接客サービスに関しては全く分からないことだらけだった。だから、優秀なスタッフが側にいてくれたことで本当に救われました。」
■地元宇都宮に創る、
映画のセットのような通り
セーシェルを立ち上げて3年目に、レストランウエディングをスタート。景気の低迷が本格化し、一般消費が行き詰まる中、何か新しい企画を、と思い立ったのがきっかけだった。
「広くて雰囲気のいいセーシェルの空間だったら、箱としては抜群だろうと思いました。結婚式で幸せなお二人の姿を見ていると、本当に感動的なんですよね。まるで映画みたいに…。」
元々映画が大好きという寺内さん。幼少の頃は映画好きのご両親の影響もあって、ロードショーを観ることが習慣だった。
「私は特に、ウエディングの空間なんかはお店と、お客様と、スタッフが一心同体になってくるような瞬間が好きで、それが一枚の映像としても幸福感を感じられる風景なんですよね。今でも趣味は映画鑑賞、あと音楽です。料理やサービスにおいて、技術も知識も乏しい自分でしたが、せめて感性だけは年を重ねても磨いておきたい。例えば、映画の中の一コマがビジネスのヒントになる場合もたくさんあるんですよ。」
宇都宮の錦にあるカフェ・レストラン セーシェルの空間は、まさに映画のセットの様な造りだ。十字架の前にはライトアップされたバージンロード、周りは来賓席で囲まれ、サイドには大型スクリーン。音響設備も最高レベルのもので演出する。
「よく、東京で出さないのか?と質問されることもあるんですけど、私にとっては地元である宇都宮に出すことに意味があるので、この地に出すことしか考えていませんでした。」
錦にあるカフェ・レストラン セーシェルが面する通りを、寺内さんは「バロック通り」と命名している。
「隣接するロバーツさん、アトリエグループさんの美容室と並んで、うちのセーシェル、ここに並ぶ店舗の皆さんと協力して、ある一つのドラマ仕立てのようなメイン通りを作り上げたいなと思っているんです。映画に出てくるような雰囲気のある町並みをね。」
■経営者は50歳から
今がまさに旬の時
寺内さんの今後の夢について、伺ってみた。
「将来的には、いつかリゾートをやってみたいと考えています。コテージがあって、宿泊施設、レストラン、それから結婚式場も兼ね備えている総合的な空間。若い頃はね、会社を大きくして上場したいと野望を持っていた時期もあったんですけど(笑)、今は全く違いますね。いいものを造りたい、感動してもらいたい気持ちが強いから、クオリティの高さにはとことんこだわっていたい。また、それだけの空間を取り仕切るためのサービス教育、ホスピタリティこそ、徹底して極めたい分野でもあるんですよ。」
そんな寺内さんの座右の銘は、
「挑戦無くして成長無し」。
「共感できる経営者としては、京セラの稲森会長。守りにずっと入るのではなくて、好機をうかがってそれをつかんで、確実に成長していけたら、と思うんです。」
「政治家も50歳から、というように私自身も、経営者は50歳からだと考えているところがあります。経験値や知識が、フルに活かせている時、私にとってそれが、今なんです。」
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| | 2010.01.05 |
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