お客様のために、従業員のために、
今、私に何ができるかというのがテーマ。
店舗作りも、そこから始まる。

■原点は母の手作りうどん
「うどん屋を始めたきっかけはもう単純に、うどんが好きだったからです。」
宇都宮市御幸町、国道4号線沿いにある「めん小町 御幸町店」を立ち上げた、(株)青い空コーポレーションの永島社長。
「手打ちうどんは、母の18番の料理で、本当にプロが作るような美味しさでした。宇都宮は元々そば文化圏でした。栃木でも県南の方にはうどん文化が存在しています」。
おふくろのうどんの味を求めて始まっためん小町 御幸町店だが、定着には時間がかかった。
「スタート時は苦労もありました。うどん文化を受け入れてもらい難い感じでしたね。『蕎麦はないの?』と言われることも多くて。うどんと蕎麦を両方提供するお店も多いですが、うちではそれはやらない方針でした。うどんと同じ釜で蕎麦を茹でることは出来ない。蕎麦アレルギーのお客様もいらっしゃいますからね。そしてうどんと蕎麦では茹で上がりの時間も違う。お客様のグループがそれぞれ、うどんと蕎麦を頼まれたら出てくる時間に差ができてしまう。利点としては、うどんは料理としてもバラエティに富んでいるし、女性や子供にも好まれます。」
めん小町 御幸町店でずっと守り続けているのは、お客様の健康を第一に考えた手作り食材を守ること。
「今では少なくなりましたが、うどんのつゆの源となる『返し』を、うちでは手間暇かけて、手作りで作っています。だしは自然素材から抽出して、化学調味料は一切使っていません。京都の老舗の鰹節を取り寄せています。返しは一ヶ月くらい寝かせるとまろやかな味になるんです。」
なぜそこまでこだわったかというと、お客様のために、まず美味しくて健康に良いものが一番だろう、という発想からだった。永島さんの発想の原点にはいつも、お客様のため、従業員のためというベースがある。
めん小町 御幸町店を立ち上げてから3年間、朝8時から夜の11時まで、永島さんは厨房でずっとうどんを茹でてきた。永島さんには、胸に温めていたある目標があった。もし3年間、ずっとうどん屋として続けてこられたら、もう一店飲食店を作ろう。その3年目が今年の10月1日になる。
「厨房で黙々とうどんを茹で続けてきたら、3年で11キロ痩せました(笑)。」
■お客様の立場で経営を考える
3年経った現在、めん小町御幸町店に隣接する立地で、焼肉店出店の立ち上げに奮闘中。うどん店とはまた様相を変え、新しく立ち上げる焼肉店にも絶対に譲れない信念がある。「焼肉店は行くと高い、家族で行くには懐に余裕がある時だけ」、という印象を覆すお店だ。
「とにかく、『旨い、安い、ボリュームたっぷり』をシンプルに掲げたいと思います。バブル期と今とでは時代が全く違いますから、同様のコンセプトでは上手くいかない。不景気だけど繁盛店は存在している。ビールの値段も500円〜580円が主流になっていますが何とか四苦八苦、交渉を重ねて、新店では430円を可能にしました。ドリンクバーもランチタイム90円を実現したんです。」
不景気で財布のヒモは締まってくる。個人レベルでも「マイ水筒持参」などの工夫が見られるようになっている。とはいえ、人は外食の楽しさを知っている。定額給付金が配布される際、使い途に関してのアンケートを取った結果上位に上がったのが、「焼肉をお腹いっぱい食べたい」という回答だった。
「焼肉店で、『うまい、安い、ボリュームたっぷり』、これを実現するには至難の業でした。うまいを追求すると、安いは実現しなくなる。ボリュームたっぷりを追い求めると、うまいが難しくなる…といった感じで、互いが相反するからなんです。」
ただ、永島さんは自分のコンセプトを決してぶらさなかった。現状の焼肉店…といえば、アルコールドリンクを売らんがため、ダイニング系の店舗が多く、内外装・人件費共に経費のかかるスタイルが主流となっている。しかしお客様の本心はといえばうまい焼肉を腹一杯食べたい、出来れば安く、これが本音であるということに目をつけた。メニュー構成でいえば、うまい、安い、ボリュームたっぷりをストレートに達成するため、高品質低価格を際だたせた。お客様の熱い願望を実現させることが、繁盛店の条件だと考えた。
「業者さんもこの考えに賛同して、協力してもらったんですよ。とにかくお客さんが一番喜ぶこと、それは焼肉を腹一杯、美味しく安く食べることです。」
元気な店、繁盛店の指標についても伺った。
「繁盛店の要素は多々あると思いますが、従業員の『いらっしゃいませ』の挨拶時の表情が良いことが一番ですね。人が声を出す時、好きな人の前とか前向きな状態の時は音程でいう『ソ』の高さで話すと言われています。好感音とも言われるんですけど、その高さで挨拶ができるお店は、繁盛店ですね。」
「経営者はお客様の立場で経営を考え、いかにお客様に喜んでもらえる店を作るか。これが飲食業のプロと言えるのではないでしょうか。」
「私は外食が好きです、食べ物にも全く好き嫌いがありません。人に対しても好き嫌いがないんです。」
永島さんにとって、飲食店とは正に『ヒューマンビジネス』、この一言に尽きる。
| パーマリンク | | 2009.10.13 |
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