Top > 2007年10月

Vol.76  株式会社 ウナン 代表取締役社長 半田 臣一 さん

一度は反発を覚えた家業。父の器の大きさを知った最期の言葉。
本物は必ず残るという信念を胸に、
「トラック野郎」の立ち位置を今、「革新」へと導いた。


0710job.jpg
■「トラック野郎」への反発

「本当は一代で終わると思っていた会社でした。父の後を継ぐ気は無かったんです。」
 (株)ウナンは創業以来36年、物流業を営んできた。ものを目的地にただ運ぶ時代は終わり、県内の物流業界も今まさに変革の時を迎えている。企業努力が問われる時代になってきた。そんな中、(株)ウナンは「独自のアイディア」と「サービス」、そしてそれらを軸にした「提案型物流」において、物流の安定とコストダウン双方の実現を目指す。また新しい輸送手段やシステム、多様化するニーズ、コストへの真摯な要望に応えるべく、従来の輸送システムの改善・改革や新しい分野への進出など絶えず最善を求め、日々研鑽を続けている。

 (株)ウナン代表取締役の半田社長。大学時代は建築を学び、いずれその道を目指そうと思っていたが在学中に父が余命1年という宣告を受け、家業の物流業を継ぐ決心をする。時代はバブル絶頂期。運賃設定も高く、利益が十分確保できる時流だった。
「『トラック野郎』という映画がありますよね?フィクションなんだけどノンフィクションでやっているような…あのイメージがすごく嫌だったんです。運転手自体のイメージの悪さ、また世間的な偏見もある。そんな現状に反発を覚えていました。」
 あくまでも運送とはれっきとしたサービス業。お客様からも認められ、また運転手自体も誇りと自信と誠意が持てる会社にする。それが、半田さんがまず取り組もうと思っていた最初の大きな課題だった。
「まず挨拶、それが出来ているかといったら、ほとんど出来ていない現状でした。まず根本から変えないと、一つの仕事、サービス業として成り立たないと思ったんです。」
挨拶なんかしたくないから運転手になったんだ、という意見もあった。でもそうではないと、半田さんは確信していた。
「まず一つの職業として、仕事人としての確立をし、自覚を持たせることによって、世間の偏見も変わってくると思っていました。立ち位置を上げて、確立することが最初の目的でした。あとは、自分自身の中にある、運送業界に対する苦手意識を克服しようと感じていたのかもしれませんね。」
 最初に取り組んだことは「風土改革」だった。
 
 取材にお伺いした時にまず驚いたのは、社員の皆さんの応対の良さだった。駐車場の遠い場所から笑顔で腰を折って挨拶を頂いたり、建物に入るやそこにおられるスタッフさん全員が席を立ち、出迎えて頂いた。
「業界自体が地盤沈下している今、社員には毎日毎日しつこいくらい言い聞かせているんです。『常に高いところを見てくれ』と。運送業としての観点でものを見るなということですね。立ち居振る舞い、言葉、挨拶にもうるさく教育しています。表情や笑顔もそうですし、言葉の表情自体もまるで笑っているような声…笑声(えごえ)とでもいうか、細かいニュアンスまで徹底して直して、最上級のサービスをご提供できる自信と誇りを持たせたいと考えているんです。」



■仕事は「しかけ」
先進的な企画提案によりトータルコストを削減

 現在、運送業は厳しい過渡期を迎えているという。業界の大半は収益が下降、売上げが上がっているのは残りわずかの企業のみ。(株)ウナンはその中に入っている。
「この結果に対して、僕は実力ではないと思っているんです。これはお客様の期待値。常に先のことを考え、謙虚な姿勢に徹して貫きたいんです。だから、社員の中でも役職だからといって態度が横柄だったりすることは許せないですし、周囲に常に感謝の気持ちを持って接するように教育しています。僕の風土改革は本当はもっと短期間で一定レベルに届く予定だったんですが、5年以上かかってしまった。やはり一番難しいのは、人の意識を変えるということです。」
 氷山の一角という言葉があるように、可視化できている現状はわずか1割に満たない。9割の潜在化している部分を掘り起こし、お客様の真のニーズに応えることが使命、と半田さんは捉えている。
「9割の部分を掘り起こす、不可能を可能にすること。それが一番求められていることだと考えています。物流費がかかりすぎることに関して、じゃあ運賃を下げましょうじゃ、あまりにナンセンス。運賃が下がると今度はサービスが低下します。そしてサービスの質の低下は必ずクレーム、業績不振へと連動します。」
 お客様の物流の現状を徹底リサーチする。得られるデータを細かく分析する。そこから内在する問題点を洗い出し、最適且つ効率的な物流システムをプレゼンテーションさせていただく。
「要はコンサル的な役割をさせていただくことで、相対的なコスト削減に結びつきます。」
 実際、(株)ウナンが所有しているトラックが稼動している率は70%。残り30%は突発的な業務が発生したときに出動する。お客様に安心して業務を任せていただくための、いわば保険のような役割だ。
「弊社は輸送メインというよりは、運送業に関しての情報、技術。ノウハウを提供する会社だと思っています。」
 「仕事はしかけ」、と半田さんは語る。トータルコスト削減の提案を行いつつも、県外にもより有機的な輸送ネットークを構築していくことが目標だ。
「最初はなかなか理解されなくても、先進的な意見を取り入れることが必要、逆に理解されないからいいんだと思うんです。運送サービス業の頂点を目指せるように、商人として胸を張れるような仕事をしていきたい…そして、社長業としては後継者を育てることが最大の仕事です。自分で判断し、考えられる人材も一緒に育てて行きたいですね。」


■「頼む」という父親の最期の言葉

 (株)ウナンは大きく、物流・引越・建築の3部門に分かれている。全国展開での発展も視野には入れているが急を要してはいない。
「現在の業績に関しては、自分のというよりは、父親の業績だと思っています。父が生前になしえ無かったことを具現化するのが自分の役割であり、現在の状況だと思うので、自分の功績とは思っていません…もし自分の功績があるとしたら、それは次期社長がなし得た業績がそうだと言えます。」
 先代の社長が生きていた頃、反発を覚えもし、またその業績に対しては否定的に捉えていたと半田さんは語る。そんな父親が病に倒れた。大病だったが、愚痴や弱音の一つも吐かず、じっと寡黙に自分の病を受け入れていた。そして息を引き取る最期に、「頼む」とだけ言い残し、亡くなられた。
「その時初めて、父の偉大さがじんわり分かってきたんですね…今となっては遅いんですが、器の大きさが分かったというか…。それからはがむしゃらに仕事に打ち込んで、今ウナンがおかげさまで業績も伸びているのは、親父に対しての自分の『はなむけ』だとも思っているんです。」
 そんな父親の姿を見て、半田さん自身も「納得して死にたい」と思うようになったという。
「人の死に方には、その人の生き様が出ますよね。自分も納得して死にたいと思うから、とにかく毎日を一生懸命生きて、仕事しようと腹が据わりましたね。正直ストレスは溜まりません。自分で選んで決めて、歩んでいる道ですから。毎日が楽しいし、朝起きるのが楽しみで仕方ないです。」
 不況の波は運送業界を大きく揺さぶる。運賃の見直し、燃料費の高騰…だが、外的要因に負けない内に秘める企業の底力があれば、マイナス要素はものともせず更に時流に乗りつつ、躍進できる。「革新」という言葉が、半田社長にはピッタリあてはまる。不況にこそ生き残れる企業、つまり本物だけが生き残る時代と言える。


| パーマリンク | | 2007.10.22 |

staff blog

営業チームリレーブログ 外勤営業スタッフがリレー形式で更新しているブログです。
制作チームリレーブログ 制作・編集スタッフがリレー形式で更新しているブログです。
内勤事務系ブログ 内勤事務系スタッフがリレー形式で更新しているブログです。
ママブログ ビジュアルワーキングマザーによるリレーブログです。

popular contents

仕事道場
惚れ惚れする仕事をするアドバイス。
ジョブ人
輝いている栃木の働く人をピックアップ!
ショットガン
我が社のイチ押し社員をご紹介します。
NONのグレートジャーニー
ノンちゃんの旅先紹介コーナー。
勝手にロックンロール
仕事探しの一休み。音楽紹介コーナー。
キッズフォトコーナー
可愛い子供たちの笑顔でいっぱい!
ツレヅレジンセイコバナシ
就活の合間のひとときに、
超小市民的こばなしをどうぞ。
王子様達のブランチ
グルメ王子の未知なる料理開拓記。